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「すりつぶしもみ殻」の話(※最終編集2019/1/9)

 

 

もみ殻はただの厄介者!?

 

お米作りの副産物であるもみ殻が厄介者扱いされていることをご存知でしょうか。

ライスセンターなどでは、大量のもみ殻が、溢れています。

その理由は、

☆処分にコスト・労力をかけられない実情。

田圃に混ぜたくてももみ殻には

・撥水性がある・腐りにくい

といった特性があるため、時間をかけて年単位で寝かせる必要がある。

☆野焼きが禁止されたことで再利用がますます難しくなってきた

ことにあります。

 

これまでも、もみ殻の特性を活かした農作物のマルチングや、

ひと手間加えることでもみ殻燻炭として肥料として使われはいますが、

これでは、発生するもみ殻に対して処理が追いつきません。

 


そこで、もみ殻を有効活用しやすく加工したのが

「すりつぶしもみ殻」です。

 

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加工とはいっても、もみ殻をすり潰しただけです。

しかし、このすり潰しを行うことでもみ殻に大きな変化が起きます。

 

 

 

すりつぶしもみ殻の特徴

 まずは、この写真をご覧ください。

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もみ殻とすりつぶしたもみ殻のそれぞれを水に入れた直後の様子です。

違いは一目瞭然。

「すりつぶしたもみ殻」は水に沈んでいます

 

↓10分後

 

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この様子は、もみ殻の特性を知っているからこそ信じられないと驚かれる方も多いのではないでしょうか。

 

動画はこちらからご覧ください(※追記2018/5/18)

youtu.be


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「すりつぶしもみ殻」の特徴は、

吸水性・保水性高めを高めたうえで、通気性を保っている点にあります。

 

もみ殻は軽く、ケイ酸を多く含むことから循環利用を推奨されながらも

課題も多くなかなか再利用が進んでいませんでしたが、

すりつぶすことでもみ殻も再利用しやすくなっていくのではないかと考えています。

 

 

 

すりつぶしもみ殻の利用方法

稲作:苗床

稲作では、

・農業従事者の高齢化や女性農業者の増加で省力化

・資材価格の高騰などで生産コストの削減

の実現が課題となっています。

 

 こうした課題の解決策のひとつとして、

すりつぶしもみ殻を使った苗床づくりをご紹介したいと思います。

 

苗箱を持ち上げた経験のある方は分かると思いますが、重く、運ぶのは重労働です。

そこで、軽量のもみ殻である「すりつぶしもみ殻」を苗床に利用することをご提案させていただいています。

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もみ殻ですから苗床の軽量化ができます。

また、土より格安のため、育苗の低コスト化にもつながります。

 

すりつぶしもみ殻を苗床に使って稲作をされている農家さんは

佐賀県、他県にすでにいらっしゃいます。

 

数件の稲作農家さん(佐賀県内)にご協力いただき、苗床にすりつぶしもみ殻をご使用いただいたんですが、

使用感(100%すりつぶしもみ殻使用)としては、

・軽くて良い

・カラスやスズメがもみ殻をつつきにやってくる

・苗の生育初期にすりつぶしもみ殻が持ち上げられてしまうのが気になる

・根はしっかり張る

・市販の土と比べると苗の色が薄く、育ちが良くないのが気になる

とのことでした。

 

一方で、佐賀県内でもう何年も100%すりつぶしもみ殻で苗を作り、おいしいお米作りをされている方もいらっしゃいます。

その方のお話しでは、苗の育ち方は土に比べれば劣るが、

田圃に植えてしまえば、同じになるため何の問題はないそうです。

 

他県のすりつぶしもみ殻での苗床づくりを工夫しながら続けてらっしゃる農家さんは、安全策として、床土をすりつぶしもみ殻、覆土を市販の粒状培土を使っている方が多いようです。

 

各農家さんが試行錯誤しながらではありますが、すりつぶしもみ殻の利用は進んでいます。

 

2018年、佐賀県神埼市脊振町のせふりん農園さんに使っていただきました↓

sagaoriza.hatenablog.com

 

sagaoriza.hatenablog.com

 

youtu.be

 

また、もみ殻をすり潰す際に高熱が発生する為、すりつぶしもみ殻を利用すると雑草の発芽を抑えることもできます。

 

 

稲作:田圃のケイ酸補給

また、お米を気候変動に影響されることなく育てるのにはケイ酸はとても重要とされています。

とくにもみ殻はケイ酸含有量が多いため、循環利用が推奨されていますが、

腐りにくく、土に混ぜるには長期間寝かせる必要があります。

 

すりつぶしもみ殻は、もみ殻に比べると腐りやすいので、

田圃のケイ酸補給に利用しやすくなるのでは、と考えています。

 

 

 その他:園芸・家庭菜園の培地

昨年実験的に、すりつぶしもみ殻(100%)で育てたミニトマトとひまわりの様子

 

ミニトマト

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ミニトマトは、5月の中旬に大きなプランターに植え替え、

7月に入ったことから表面にカビが生えてきました。

 

■ひまわり

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ひまわりは、植えたのが8月に入ってからで遅かったです。

真夏でもなかなか乾かなくて、水をやりすぎても枯れちゃいそう、

水やりのタイミングが難しく感じました。

プランターで植物を育てるのが久しぶりだったので、外に出していてもこんなに乾かないものか???とも思ったりもしたのですが、

すりつぶしもみ殻に吸水性・保水性がある証拠?

 

すりつぶしもみ殻と土を混ぜたほうが乾きやすいです。

 

 

その他:家畜の敷料

 

 

エコファーム(持続性の高い農業)にすりつぶしもみ殻を

有機栽培の土づくり

・農業の省力化・低コスト化

・産業廃棄物処分の労力・コスト削減

など、

もみ殻は循環利用の輪が広がれば、

人にとっても、環境にとっても良いことたくさんの地域の貴重な資源です。

 

 

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すりつぶしもみ殻に興味があるという方いらっしゃいましたら、

お気軽にお問い合わせください。

 

mail: sagaoriza@gmail.com

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