もみ殻はゴミ?
お米作りの副産物である"もみ殻"が厄介者扱いされていることをご存知でしょうか。
- 処分にコスト・労力をかけられない実情。
- 田圃に混ぜたくてももみ殻には撥水性がある・腐りにくいといった特性があるため、時間をかけて年単位で寝かせる必要がある。
- 野焼きが禁止されたことで再利用がますます難しくなってきた。
こういった理由により、カントリーエレベーターなどには、処分に困った大量のもみ殻が溢れています。
もみ殻の特性を活かした農作物のマルチングや、
ひと手間かけてもみ殻燻炭にして使われることもありますが、
発生するもみ殻に対して処理は追いつきません。
このままでは近い将来、費用を支払い業者に頼むことを避けられなくなります。
もみ殻をバイオマス燃料に
そこでもみ殻を再利用するために生まれたのが「モミガライト」です。
(右:モミガライト<ロング>、左:モミガライト<ショート>)
オガライトはご存知の方がいらっしゃるかもしれません。
オガライトは本来廃棄される“おが屑(木屑)”を再利用することが目的に作られた固形燃料。
モミガライトはもみ殻を再利用した固形燃料です。
薪の代替として使うことができます。
特徴
原料はもみ殻100%
モミガライトは製造時に接着剤などを一切使わないため燃焼時の排気には窒素酸化物・硫黄酸化物を含まずクリーン。
さらに、燃料の使用で新たなCO2も発生しないので環境にやさしい燃料です。(カーボンニュートラル)
燃焼
モミガライト2kgが、灯油1Lとほぼ同熱量。
火の粉が飛びません。
着火時間は、モミガライトがもみ殻を高圧縮して作られているので、やや時間がかかり10分くらい。
(モミガライトを8kg以上燃やした場合)最初の45分は火を上げ燃焼し、その後は熾火として2時間ほど燃え続けます。
煙・においは最初はどうしても出てしまいますが、全体に火がまわる20分ほどでなくなります。においの感じ方に個人差はあり、少し匂いを感じる方もいらっしゃるようですが、秋のもみ殻焼却のようなきつい匂いではありません。
火持ちが薪の数倍で薪ストーブユーザーさんには夜用として好評のようです。
煮炊きや暖房、バーベキューなどにお使いいただけます。
着火のコツ
灰
灰は多めに残ります。
固まったまま残るので、扱いやすいです。
砕いて大地に還すと、畑や園芸の土壌改良剤として再利用できます。
保管
湿気に強く、長年保管しても変質や型崩れがないので安心です。
ただし、湿気の少ないところでの保管をおすすめします。
湿度の高い場所では、表面にカビが生える場合がありますが、使用に支障はありません。
また、直接雨や雪が当たらないようにしてください。
断面は水を吸いやすいです。
水に濡れると形が崩れて、すりつぶしもみ殻の状態に戻ります。
orizaで販売中のモミガライト
01 モミガライト<ロング>
[外径5.5cm×長さ約36cm]
約10kg(11本) / 束
02 モミガライト<ショート>
[外径5.5cm×長さ約9cm]
約13.0kg / 箱
03 備蓄燃料モミガライトセット
[一斗缶、モミガライト8kg、着火剤、火バサミ、鉄棒、取扱説明書] / 缶
災害などもしものときのために備蓄する燃料として。
その他
モミガライトを炭化した「モミガライト炭」も取り扱っています。
購入方法
- 店頭受取
- オンラインショップ
詳細はorizaサイトをご覧ください。
もみ殻も持続可能な資源
サスティナブルな資源として注目されることが多いのは木です。
しかしながら、もみ殻も木と同じくらい可能性をもったサスティナブルな資源です。
地域で作られたもみ殻を地域で消費する。もみ殻の地産地消。
まだまだ認知度の低い取り組みです。
もみ殻を活用していく、ということも含めてこれまでの考え・やり方を変えることは容易なことではありません。
たとえば、モミガライトは薪の代替としても使えます。
しかし、キャンパーさんや薪ストーブユーザーの方は
「モミガライトは灰が多く残って扱いづらい」「火がつきにくい」
と感じることが多いのが現状です。
これは仕方がありません。
それぞれこだわり・好き・嫌いはあって当たりまえ。
でも実はこのこだわりを通すにはお金や時間に余裕がないとできないんだそうです。
薪もお金さえ払えばそれなりのものを手に入れることができるが、お金がかかる。
できるだけ安く、となると次に考えるのがタダの薪を使うこと。
森林の手入れにより発生した廃棄物を利用するのであれば・・・伝手が必要。
または、自ら山に入って→チェーンソーで切り出し→運んで→薪割→乾燥と翌年分の薪を1年前から準備をする手間がかかる。
好きでなければ続かない。
一方で、「モミガライト」の原料であるもみ殻は、地域のカントリーエレベーターに乾燥した状態で収集されており、これをモミガライトに加工します。
製造すればすぐに使うことがことができます。
おまけに形・サイズがそろっているので保管する際の省スペース。
考え方を変えてみればもしかしたら薪よりも「モミガライト」のほうが使いやすいのかもしれません。
お米を作り続ける限りもみ殻は発生します。しかも、膨大な量です。
もみ殻を地域の資源として有効に活用していくことは、人にとっても、自然にとってもメリットがあります。
(機械メーカーさんでは、薪や木炭を燃料として使用することで進行している森林減少が深刻化しているタンザニアでの「モミガライト」の普及と検証の取り組みもおこなわれています。)
もみ殻の再利用。
興味を持っていただければうれしいです。
少々長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。